HSCの繊細なうちの子。わがままに感じることも多く、対応に困っています。
私自身がHSP(元HSC)で、2人の息子もHSCの気質があります。
繊細さゆえ、「わがままだな」と感じる部分はありますよね。
HSCはわがまま?
HSCとは
HSCとは、「ひといちばい敏感な子」と言われる繊細な気質を持った子どものことで、5人に1人の割合で居るとされています。アメリカの心理学者であるエレイン・アーロン博士が提唱者したもので、病気や発達障害などとは違うものです。
この気質を持つ大人のことをHSPと言い、その子どもバージョンがHSCということになります。
医学用語ではないので基本的に診断を受けることはできませんが、アーロン博士のチェックリストを見て、私も息子たちもこの気質を持っていると感じています。
繊細な気質の、私たち親子
どうしてHSCは「わがまま」なのか
非HSP(=HSPの気質でない)である私の母は、子どもの頃の私のことを「どうして些細な事で機嫌を損ねるのか分からなかった」「感情の出し方が激しかった」と言っていました。
私自身にも思い当たる節があり、確かに他の多くの子どもたちよりも「嫌だ!」と感じることが多かったように思います。
反対に、好きな物や好ましいと感じる事への気持ちも強くなりがちで、気に入っていた物や、離れてしまった友だちのことをずっと言っているようなこともありました。
親からすると、そんなに執着して・・・と飽きれる気持ちもあったと思います。
HSCは情報の処理が深いという特徴があり、嫌な事も好きな事も強く感じやすいです。
また、普段から多くの刺激を受けているために疲れやすく、機嫌が悪くなりやすいという面もあります。
そんな強烈な感情と機嫌の悪さが、周囲から「わがまま」と感じられることに繋がっているのでしょう。
感情が忙しいので、本人も、かかわる大人も大変ですよね。
どんな大人になるの?
HSCの強い感情を見ていると、「このまま大きくなっても大丈夫かしら」と不安になってくる方もいるかと思います。
HSCは生まれ持った気質なので、大人になるとHSPと呼ばれ、繊細な気質を持つという部分は変わりません。
でももちろん、子どもの時のまま大人になるわけではありませんよ!
刺激を受けやすかったりする部分は残りますが、感情のコントロールは上達します。HSCに限らず、子どもたちはみんな成長しながら気持ちをコントロールできるようになっていきます。
今よりも、感情のコントロールができるようになっていくんですね!
幼稚園児だった頃に「わがまま」と言えるような姿が目立っていた長男は、小学生になった今、周りの状況を考えて行動するのが得意になっています。
繊細さゆえに苦手な事もありますが、自分で苦手な状況を理解して、それを避けるようにもできてきています。
人の多い所とか、苦手だなと感じる所には行かないようにしてるよ。
そもそもHSC・HSPは、他の人の気持ちを感じたり周囲の状況を察知するのが得意です。
小さい頃に「わがまま」でも、本当にするべき事や善悪の区別は分かっているということがほとんどだと思います。
加えて、子どもたちなら誰でも持っている「甘え」もだんだん減っていくので、親に気持ちを爆発させることも減っていきます。
これを読んでいる方のお子さんも、時間が経てば今の姿は変化していくので、あまり心配しないでくださいね!
わがままな大人になるわけではないんですね。
むしろ人の気持ちや周囲の状況を、しっかり考えて行動できる人になると思いますよ!
やってはいけない事5選~HSCの「わがまま」への対応~
感情の動きが激しいHSCの育児は、親にとっては大変な場面もありますよね。
ここではあえて「わがまま」と書きますが、子どもの機嫌が悪い時は、大人もイライラしたりうんざりしたりしてしまうこともあると思います。
しかし、私の子ども時代を思い返したり、HSCの息子たちの育児をする中で、これはやらないように気を付けようと思うポイントが5つあります。
前提として育児に正解・不正解は無いと思いますが、お子さんに合うと感じる方は参考にしてみてください。
ダメな対応①厳しく叱る
私自身が子どもの頃は、ネガティブな感情を伝えると非HSPの両親から「うるさい!」と叱られることが多かったです。確かに今思えば、あーだこーだと訴えて、親にとっては面倒だったろうと思います。
しかし、それに対して私はショックが大きく、「お父さんお母さんは分かってくれない」という思いばかりが残っていきました。そうして、だんだん自分の思いを話すことをやめていきました。
HSCは刺激を受けやすいので、厳しく叱られると萎縮してしまったり、強く反発してきたりします。結果的に自己肯定感を下げることにも繋がってしまいます。
私が親になってからは、まず息子の話しを聞いて、「そう思ってるんだね」と受け止めるように心掛けています。
大人からするとわがままだと感じても、嫌な思いをして一番困っているのは子ども本人なのです。
子どもが失敗をするなどして、行動を改めた方が良いという場合も、叱るのではなく「こうすると良いよ」と説明してあげるだけで十分なことがほとんどです。
情報を深く処理するHSCは、少し軌道修正してあげるだけで、何が正しいのかを自分で感じ取ることができますよ。
ダメな対応②癇癪を否定する
HSCの気質を持つ子は、園や学校など外の社会では頑張っています。他の子どもたちよりも多くの刺激を受けて、たくさん感じたり考えたりして、周りに合った行動をして・・・と、家に帰ってくる頃には疲れてしまっていることも多いです。
ぐちゃぐちゃになった感情や溜め込んだ気持ちが、何か小さなことを引き金として爆発してしまうこともあります。こうしてすぐに機嫌を損ねたり、癇癪をおこしたりしてしまいます。
これは外の世界で頑張ってきた反動なので、発散させるという意味では必要な爆発なのです。
それに付き合う大人は大変ですが、HSCの子にとって家が「安心して自分を出せる場所」になっている証拠でもありますね。
大人が強い態度で癇癪を否定してしまうと、子どもは発散ができなくなってしまうので要注意です。
ダメな対応③人を操作するような言動を許す
気持ちを受け止めるようにはしていても、何でもかんでも全てを受け入れることはできませんよね。
主張の多い息子の言動を、どの程度のことまで受け入れるか、というところで私もとても悩みました。
私の場合は、息子が人の気持ちや行動を操作するような発言をした時は、「それはできないよ」とはっきり伝えるようにしていました。
大人の人間関係でも、他の人の行動を自分の思い通りにすることはできないし、人の感情はその人のものですよね。それを思い通りにしたいと考えていては、本人もつらいと思います。
長男が「〇〇君にこう思ってほしかった」と言ってぷんぷん怒っている時などは、「そうだったんだね、でも〇〇君の気持ちを思い通りにはできないよ」とはっきり伝えていました。
ダメな対応④親の不機嫌でコントロールする
HSCの子は、人の表情から感情や状況を読み取る力があるため、親の不機嫌な表情を見て気持ちを抑えてしまうことがあります。
子どもにとって強い感情や主張があってもそれを出すことができないのは、健康的なことではありません。
大人にとっては、このHSCの性質は都合が良い場面もあります。でもそれを利用して子どもをコントロールしてしまうと、そのまま人の顔色を伺う人に成長していってしまいます。
ダメな対応➄親が子どものご機嫌を伺う
④とは反対に、子どもが機嫌良く過ごしてくれるようにと、大人の側が気を遣うこともあると思います。
でも親が不安になって子どものご機嫌を伺うような状態になると、HSCの子はすぐに察知しますし、それは両者にとって心地が悪い状態です。
子どもの気持ちを尊重するとは言っても、親は親で自然体でいることが大切だと実感しています。
あまりにも子どもの主張が強すぎるという時は「ママはこんな気持ちだよ」と伝え、子どものペースに過度に合わせることのないようにしたいですね。
親が我慢し過ぎたり、自分を犠牲にしたりする必要はないです!
さいごに
感情の動きが激しい子と一緒に過ごしていると、大人も疲れてしまうこともありますし、どう対応すべきか悩むこともありますよね。
でも子どもが感情を思い切り出せているというのは、親子の関係性がしっかりできている証拠でもあります。
HSCに限らず、すべての子どもたちは、いろいろな感情を経験して発散する時期にあります。そうして、周りの大人に受け止めてもらうことで、自己肯定感も育っていく時期です。
お母さん、お父さんが分かってくれていると感じられる、安心できる環境で過ごしていれば、少しづつ「わがまま」に見える言動も減っていくはずです。
難しいところが多いHSCですが、きっと大丈夫。これからの成長が楽しみです!
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